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2008年6月22日 (日)

舞城王太郎『熊の場所』

『阿修羅ガール』につづいて、舞城王太郎の『熊の場所』という短編集を読んだ。

(『阿修羅ガール』については読者をがんがんひっぱる舞城王太郎『阿修羅ガール』

 


収録されているのは、

  • 『熊の場所』
  • 『バット男』
  • 『ピコーン』

の3編。
 『阿修羅ガール』を読んで、とくに読者にぐいぐい読ませてしまう力のすごさに感心して、翌週、読みすぎたら、いかんとおもい我慢したんですが、先週、つい、出だし数ページを立ち読みして、買ってしまいました。

 今回の読後感は、読者に読ませる力は、相変わらずすごくて、あっという間に小説の中に引き込まれてしまいましたが、残念なことは、話しの練り込みがすこしたりないんじゃないかと、ちょっと物足りなく感じました。悲しむべくは、そんなちょっと物足りない感にもかかわらず、最後まで、読ませてしまう語りのうまさというのでしょうか。もちろん、話しの世界の中に入り込んで、著者が意図した、解決に心地よくおもいながら、どうも話しの練りがたりないような気がして、手放しで大満足というわけにはいかず、おもしろく最後までよんだにも関わらず、期待値と比較して、ちょっと練りがたりないんじゃないかと、ちょいがっかりしつつ、こういうムラがあるのも、当然かもと妙になっとくしてしまいました。話の意外性のある、大きな場面展開が彼・彼女の持ち味であるとおもうのですが、今回も大きな展開はあるのですが、短編という制約でしょうか、その展開が唐突過ぎて、という印象を受けます。にもかかわらず、読み勧めてしまうというのか。以前長編作家が短編について、短編には短編の書き方があって、自分はどうしても、無理やり長編を短くきりつめたような短編を書いてしまうということをかいていたけれど、この短編集も、そのような印象をうけた。

この3作の中では”ピコーン”が全体としては、もっとも読後感が心地よかったですが、やっぱり、ちょっとものたりない感は拭えませんでした。

 フィギュアスケートで言えば、トリプルアクセルなど、ばちばち決めて、おのおのの小さい部分としては成功していますが、全体を一つの作品としてみると、総合点がでないというか、、なんというかむずかしいです。

 前回読んだ、舞城王太郎作品からの先入観で、彼/彼女なら、ここまで表現してくれるという期待(偏差値90?)ぐらいのところが、もちろん、いいんだけど(偏差値70とか?)、すごいけど、でも、期待とくらべるとそれほどというかんじでしょうか。

 これが、短編故なのか、著者故なのかはわかりませんが、でも、もう一冊は読んでみたいと思いました。

 『ピコーン』作中に引用されていた、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を読んでいます。該当箇所は、過ぎて、いまから、本編というところです。

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