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2008年5月22日 (木)

谷崎潤一郎『文章読本』 吉行淳之介の批判的あとがきもおすすめです

週末、サンフランシスコの紀○国屋書店迄行く機会があった。いきつけのサンノゼ店よりは、文庫本の質、量ともに随分良く、つい、かねがね欲しいと思っていた文庫本を少なからず衝動買いしてしまった。

 その中のひとつが、この谷崎潤一郎著『文章読本』である。最近よんだ諸小説がきっかけで、文体および文章の読みやすさ、読ませやすさについて興味を持つようになった。ちょっと、調べてみると、『文章読本』と名がつく本は案外たくさん出版されていて、そのなかのいくつかは学生時代に読んで半ばで挫折したりしたものもあるが、谷崎氏のものは、偶然今迄一度も本屋で見かけることがなかった。

 また、先月目にした浅田次郎氏の対談かインタヴューでこの本の一節をしり、読みたくて仕方がなくなってしまった。

 はじめの数ページをめくり、この本自体が、読みやすく、もうすこし読んでみたくなるように書かれていることに気づき、ほっとした。巷には文章読本、文書の書き方と銘打っている、なんとも難解な本が多いことにがっかりしたことも、すくなくないだけに、スタートからとても好印象である。

 詳細は本文を参照していただくことにして、私にとって、印象にのこった一節のひとつで、谷崎氏にとって、「名文」とはについての一節からです。

長く記憶に留まるような深い印象を与えるもの

何度も繰り返して読めば読むほど滋味の出るもの

(谷崎潤一郎『文章読本』(中公文庫)p. 83 「感覚を磨くこと」より引用)

 これは最近とくに、個人的に感じていることとも重なっている。繰り返しよむということは、以前、とくに学生時代の若い頃は特に、なんとつまらないことと思っていたが、最近は繰り返し読みたくなるような文章こそすばらしい文章であり、また、そのような文章を繰り返しよんでいると、まさにかめばかむほどのごとくにその内容が骨身にしみてくるのがここちよいと感じるようになった。

    あとがきは、吉行淳之介による数ページのものであるが、これがまた、本編と別に面白かった。理由は、吉行氏の手によるあとがきは、いわゆる文庫本のあとがきにみられるような、本編の要約や、あらすじであったり、著者に関するトリビアを披露するような通常のものとは異なり、本編に関する批評的考察から構成されている。短いですが、このあとがきによって、かえって本編をよみかえしたくなるという気持ちを鼓舞するすばらしいあとがきなので、これも読まないと損ですよ。

と締めかけてちょっとGoogleで眺めていると、彼の手によるこんな本がありました。


みかけたら、買ってみようと思います。


 

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